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§なぜなぜ分析の「最低限これだけは絶対に必要なポイント!」 更新日 2016/1/18

 なぜなぜ分析を実施していく中で、絶えず頭の中に置いて進めていく必要のある、
「最低限これだけは絶対に必要なポイント」をまとめました。

1.「なぜなぜ分析」に取りかかる前に、「問題事象(課題)」を見極め、絞り込むこと
  「問題事象(課題)」が大ざっぱだと、掘り下げる「なぜ1」もあいまいになる。
  「なぜ1」が3つ以上になる場合は、「問題事象」の絞り込みが足りない。
   あるいは、2つ以上の問題点を含んでいる場合がある。

2.出だしの「なぜ1」には、根本的な要因を書くようにする。
   問題事象が必ず発生する、直接的な動作や事象を書くこと。(「〜し忘れた」はダメ)
   ・モノが破壊された。→なぜ? そのモノの強度を上回る応力が加わった。
   ・注文個数ほ間違えた。→なぜ? 注文書に間違った数字を書いた。
   ・水が漏れる。→なぜ? 必ずどこかに隙間(穴)がある。
  「発生要因」(作り込んだ要因)と「流出要因」(見付けられなかった要因)の2つを
  「なぜ1」に取上げるとよい。
  出だしの「なぜ1」は「なぜ2」以降の分析に影響しますので、非常に重要です。

3.「問題事象」や「なぜ」のところに書く文章で注意すること
  ・主語はひとつ。短く簡素に「○○が○○した」という形にする。
  (主語と述語をはっきり書く。)また、定量的かつ具体的に表現する。
  ・主人公がある場合は「誰が」を明確にする。
  ・意味の広い言葉(アバウトな表現)の使用をさける。
  (〜が悪い。〜が不十分。などはもっと具体的に!)
  ・現象は、見たままを言葉にする。個人的な主観で先入観が入った表現をしてしまうと、
   的が外れて対策すべき弱点を見いだせなくなる。

4.「なぜ」の欄にあげる「要因」は出し切ること。
   考えられる要因は、まず出し切ること。事実関係を調べてから原因でなかったら消す。
   観点を変えた「要因」も歓迎する。(弱点や、見えなかったことを見える化できる。)

5.「なぜなぜ分析」には、「責任転嫁」は禁物!
   個人的な話(心理面)や言い訳も基本的に避ける!
   体制の問題や人員不足、無理な納期での受注、仕様変更による混乱などの問題は確かにある。
   このようなマネジメントの問題は、要因として書いておいてもよが、一旦そこで止めておく。
   なぜなぜ分析は、まず自分らで出来る対策に導くことが大事である。

6.必要・十分条件チェックをやりながら進める。
 1)必要条件チェック:
   『Bだったら必ずAが発生するか?』と尋ねて、『必ずしもそうとは言い切れない』と思ったら、
   Bはそのまま、Aに繋いではいけません。BはAの起きる唯一の原因ではないからです。
  
   Bと並列に(Bの下に)Cがあるか、AとBの間にCがあることが予想されます。
  注)Bは別の場所で使用する場合があるので、捨てないでね。

 2)十分条件チェック:
   『Yが起きなくて、かつ、Zも起きなければ、絶対にXは起きないか?』と尋ねて、
   『必ずしもそうとは言い切れない』と思ったら、YとZ以外の原因を考えて下さい。
  

7.再発防止策につながるような要因が出てくるところまで「なぜ」を続ける。
   5回を目処に掘り下げるが、適切な要因が出ない場合は無理に続ける必要はない。
  (末端の原因の裏返しが、再発防止策になる。)

8.最後に因果関係チェック(展開検証)をやってみる。
   なぜなぜ分析を終了した後で、必ず最後の「なぜ」の部分から「トップ現象」まで
  「(だ)から」という接続詞で遡る形で読んでいく。
  話のスジが通っていなければ、間に要因がもう一つあったり、スジ違いが予想される。

9.次のステップは、「根本原因」の対策であることを知る。
   「発生要因」(作り込んだ要因)や「流出要因」(見付けられなかった要因)が
  出てきたら、その事象の再発防止策は打てる。ただし、それらの「発生要因」や
  「流出原因」を発生させている「根本原因」を対策しないとモグラ叩きになる。



【参考資料】
 1) なぜなぜ分析のエッセンス(考え方)について 著者:管理人(MORIO)
 2)「なぜなぜ分析とは」.pdf(479KB) 著者:管理人(MORIO)
 3) ヒューマンエラー(人為ミス)に対する「なぜなぜ分析」のコツ 著者:管理人(MORIO)
 4) なぜなぜ分析シート.xls(49KB) 作者:管理人(MORIO)
 5) なぜなぜ分析の落とし穴(なぜうまくいかないのか?) 作者:管理人(MORIO)
 6) 設計部門(開発部門)の「なぜなぜ分析」について 作者:管理人(MORIO)

【推薦書籍】
 1)「なぜなぜ分析 徹底活用術」著者:小倉 仁志(JIPMソリューション)
   「なぜなぜ分析」の入門に最適な書籍です。初級者にも分かりやすい!
 2)「なぜなぜ分析習得の7ステップ 真の原因をつかめ!」著者:小松 正(JIPMソリューション)
   「なぜなぜ分析」の中級者に最適な書籍です。入門者にキッチリ教える時などに利用できます。
 3)「なぜなぜ分析 実践編」著者:小倉 仁志(日経BP社)
   何回か実施した経験のある人が、どうも上手くいかないと思ったとき、あるいは間違った
   なぜなぜになることが多いと感じたとき、この本は良い指南書になると思います。

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